蹄鉄ころんだ

2005年1月6日 読書
ISBN:4488246028 文庫 シャーロット・マクラウド 東京創元社 1988/12 ¥609

 パラクラヴァ農業大学のピーター・シャンディ応用土壌学教授が『にぎやかな眠り』で知り合った「ヘレン」との結婚後,初めて遭遇した事件です。
金銀強奪事件に巻き込まれ,妻ヘレンは人質にされてしまいます。
さらに若くうつくしい雌豚ベリンダが誘拐!
はたして,シャンディ教授は,解決できるのでしょうか?

最近,お気に入りのシリーズです。

この中で,こういうくだりがあります。

「・・・・・略・・・ブーメランを勧めてもいいかしら,ウーラフセン?」
 ヘレンがそうたずねたのは,大学内のしきたりにしたがってのことだった。1年生はそのときの季節に応じて,リンゴジュースやマシュマロ入りのホットチョコレート,あるいは氷を浮かべたレモネードなどの飲み物を供される。2年生は,紅茶かコーヒーのどちらがいいかとおごそかにたずねてもらえる。3年生になると,ビールか軽いワインを勧められる習慣になっていた。そして,4年生は主人側に勧められれば,なんでも飲んでよいこになっている。
 このルールは大学全体に定着していた。上級生は,せっかく自分たちが手に入れた特権を侵害されまいとして,下級生が少しでも節度のないことをしようものなら,容赦なくやっつける。したがって,まだ,酒になれていない新入生がむりやり酒を飲まされるということもなく,他の大学では深刻な問題となりうる飲酒の問題は,このパラクラヴァには存在しなかった」



思わず「イッキ!イッキ!」と騒ぐ大学生等を思い出しました。

これは,物語なので,実際,本当にそういう大学があるのかどうかわかりません。
日本のように「イッキ飲み」のような飲酒問題を心配して作者があえて,そういう大学を舞台設定としたのかもしれない。

日本の場合,喫煙は,とても厳しいですが,飲酒は許されるような雰囲気はありませんか?
先生が出席しているゼミなどの忘年会・・・・に20歳未満の学生にお酒を勧めてはいませんか?
20歳未満と知っていて,新入社員に「もう社会人だ」などど言って,
お酒を勧める上司・同僚ではありませんか?

でも,これって,やっぱり,上に立つ人間に問題がある気がしませんか?
学生がたのしくやっているのに「20歳未満は酒はダメだ」なんていったら,しらけるんじゃないか・・・・そんな,トンチンカンな心配をするより,飲酒で起こりうる事態の心配を本来するべきじゃないんでしょうか?
これから,卒業・入学シーズン・・・
必ず,「いっき飲み」で救急車で運ばれる人が出ます。
運が悪いと,命にかかわることもあります。

法律でも,未成年の飲酒は禁止されています。
お酒に慣れていない若者の命にかかわる・・・・
そういう認識が大人に不足しているのでは?
最高学府の先生には,もっとしっかりしてほしいし,会社で上司を名乗る位置にいる人も,しっかり認識すべきです。

もしかしたら・・・・こういう問題がなくならないのって,大人が飲みたいから・・・だけなのだろうか?
自分ひとりが飲むんじゃ,飲みにくい・・・
みんなも巻き込め・・・ってか・・・
それが,本音かも・・・。
だから,毎年,事故が起きる。
懲りない面々・・・ですね。

結局,今の社会のゆがみは,大人から・・・か。

娘が大学に進学する時には大学船体に「モラル」と「ユーモア」が存在する所に進学してほしいです。
でも,学力・就職先は調べられても「モラル」なんて,どうやって調べたらいいんでしょう?
過去に「20歳未満の学生に急性アルコール中毒者を出した大学」とか
「性犯罪者を出した大学」とか「セクハラ問題があった大学」っていうのを検索できるといいですね!

そういう問題行動を起こした大学にはペナルティを科すと,みなさん,しっかりなさるんじゃないでしょうか?
大学や企業も,モラルなしじゃなさけないです。

おふざけや,ハメをはずすしても『節度』のある大人・・・でありたいです。

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